
「ドル円は上がる」と決めた瞬間から──確証バイアスがトレード判断を歪めるまで
スーパーマーケットで面白い実験がある。 被験者に「有機野菜は健康に良いか?」と意見を聞いた後、自由に情報を集めてもらう。「良い」と答えた人は有機野菜の利点を報じた記事を平均7.2件読み、リスクを指摘した記事は1.8件しか開かなかった。「良く …

スーパーマーケットで面白い実験がある。 被験者に「有機野菜は健康に良いか?」と意見を聞いた後、自由に情報を集めてもらう。「良い」と答えた人は有機野菜の利点を報じた記事を平均7.2件読み、リスクを指摘した記事は1.8件しか開かなかった。「良く …

2024年の個人FXトレーダー6,800人を対象にした調査で、70%以上が「チャートの急変動を見て計画外エントリーをした経験がある」と回答している。興味深いのは、経験年数5年以上のトレーダーでもその割合が58%だった点である。FOMOは「初 …

書籍情報 書名:ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?(上・下) 原題:Thinking, Fast and Slow 著者:ダニエル・カーネマン(Daniel Kahneman) 翻訳:村井章子 出版年:2012年( …

75%の人間は「見える正解」を捨てる──社会的証明の認知構造 1951年、社会心理学者ソロモン・アッシュはきわめて単純な実験を行った。被験者に3本の線分を見せ、基準線と同じ長さのものを選ばせる。正解は一目で分かる。小学生でも間違えない。 と …

「我慢」は美徳か──行動経済学が暴く文化バイアスの構造 リチャード・ニスベット(ミシガン大学)の文化心理学研究によれば、東アジア圏の被験者は「状況の持続」を前提とした判断を下しやすい。西洋圏の被験者が「今この瞬間の合理性」で選択する場面でも …

木曜日の夜21時30分、ドル円が米雇用統計の発表直後に80pips急落した。 あなたは150.20円でロングしていた。「一時的な振れだ、すぐ戻る」──そう自分に言い聞かせた。149.40円。まだ戻ると信じた。148.80円。「ここで損切りし …

2022年10月21日金曜日、ドル円が151.94円をつけた直後のことだ。 俺は当時、ある機関投資家のFXデスクにいた。ロンドン勢が東京の引け際に仕掛けてきた急騰──わずか40分で80pips。デスク全体が「介入ラインに到達する」と色めき立 …