「相場の中に入ってくる者は全員、何らかの意味で自分の望む結果を得ている」
エド・セイコタがこう語ったとき、多くのトレーダーは反発した。「損失を望んでいるわけがない」と。
しかしセイコタは続けた。「損失を出すことで、興奮を得ている人もいる。刺激を求めている人もいる。損失の後に自己批判することで、何かを満たしている人もいる」
コンピューターによるトレンドフォロー手法の先駆者であり、1970年代から数千%のリターンを実現したセイコタの言葉は、FXトレーダーの無意識に鋭く切り込む。
セイコタの核心的名言
「ゲームの中に入ってくる者は全員、自分の望む結果を得ている」
Win or lose, everybody gets what they want out of the market.
これはセイコタ哲学の核心だ。
表面的には「勝ちたい」と言いながら、実際の行動を見ると「興奮したい」「誰かに認められたい」「自己嫌悪のサイクルを繰り返すことで安心感を得たい」という本当の動機が見えてくることがある。
セイコタが言いたかったのは、自分がトレードから「本当に何を得たいのか」を正直に問い直せということだ。
FXトレーダーへの問い:あなたは本当に「利益を得ること」を最優先にしているか?それとも「興奮」「スリル」「誰かに話せる体験」を求めていないか?
「ルールに従ってトレードせよ。そしてルールを持て」
Trade according to your means. Know what you want.
セイコタはコンピューターを使ったシステムトレードの先駆者だ。感情ではなく、明確なルールに基づいてトレードする哲学を貫いた。
彼が強調するのは、「ルールがあれば感情から自由になれる」ということだ。
「今日は上がりそうか」ではなく「今日、私のシステムはどんなシグナルを出しているか」。この違いが、感情的なトレードとシステム的なトレードの本質的な差だ。
「損失を小さく保つことが、まず最初だ」
The elements of good trading are: (1) cutting losses, (2) cutting losses, and (3) cutting losses.
セイコタは「良いトレードの要素は?」と聞かれたとき、冗談のように「(1)損切り、(2)損切り、(3)損切り。残りは我慢と良いタイミングだ」と答えた。
これは冗談ではなく、深刻な真実だ。
利益を上げることより、損失をコントロールすることの方が先だ。利益はコントロールできないが(相場の動きに依存する)、損失はコントロールできる(損切りラインの設定)。
コントロールできることに集中する──これがセイコタのリスク管理哲学だ。
「長期的トレンドに乗れ。短期的ノイズに惑わされるな」
If you can’t take a small loss, sooner or later you will take the mother of all losses.
日足・週足レベルの大きなトレンドを見つけ、そのトレンドに乗ることがセイコタの基本戦略だ。
5分足・15分足の細かい動きは「ノイズ」に過ぎない。ノイズを追いかけてトレードすることは、疲労と損失を積み重ねるだけだという。
セイコタ哲学から学ぶFXの本質
自分の動機を正直に問う
「利益を得たいのか、刺激を得たいのか」──この問いに正直に答えることが出発点だ。
もし「刺激」を求めているなら、それ自体は否定しなくていい。しかしその場合は、「刺激のために小さな資金でトレードする」という位置づけをして、「利益を最大化するための主要資金」とは別に管理する。
システムを作り、それに従う
感情に頼らず、明確なルールを作る。
- エントリー条件:〇〇のときにエントリーする
- 損切り:エントリーから〇pips逆行したら損切り
- 利確:〇pipsを目標、またはトレンド転換シグナルで決済
- ポジションサイズ:口座残高の〇%をリスクにする
このシステムが感情から自由にしてくれる。
トレンドフォローの忍耐を持つ
「良いエントリーのタイミングが来るまで待つ」「トレンドに乗ったら、小さな揺れで降りない」──これがセイコタ流の忍耐だ。
毎日トレードしなければいけないわけではない。良いセットアップが来るまで待つことで、質の高いトレードだけを実行できる。
セイコタが語りかける本質
エド・セイコタの言葉は、単なるテクニックではない。自分自身の心理を深く見つめることへの招待状だ。
「なぜトレードするのか」「何を望んでいるのか」「本当の敵は相場ではなく自分自身の恐怖や欲望ではないか」──これらの問いと向き合い続けることが、FXトレーダーとしての成熟につながる。
相場は鏡だ。そこには、トレーダー自身の心理が映し出される。
