この本が刺さるFXトレーダーの悩み

「今月も負け越し。また同じパターンで損切りできなかった…。」

深夜のリビングで、今月の収支を眺めながらため息をつく。トレード日記はつけている。YouTubeでメンタル系の動画も見た。でも、結局同じ失敗を繰り返している。「メンタルが弱いから負けるんだ」と自分を責めているけど、じゃあどうやってメンタルを鍛えればいいのか分からない。

そんなあなたに、臨床心理学者でありトレーディングコーチでもある著者が、「自分自身のメンタルコーチになる技術」を教えてくれる一冊です。

書籍情報

書名: トレーダーの心理学 – トレーディングコーチが教える達人への道
原題: Trading Psychology 2.0
著者: ブレット・N・スティーンバーガー (Brett N. Steenbarger)
出版年: 2015年
出版社: パンローリング
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難易度レーティング: 中級(FXの基本用語が分かれば読める。心理学の専門知識は不要)
読書時間の目安: じっくり読んで8時間、要点だけなら3時間

この本を一言で

「トレーダーが自分で自分をコーチングする101の具体的方法論」

名言ピックアップ:心に刺さった一節

「問題は感情そのものではなく、感情との関わり方にある」

この一文を読んだ時、ハッとした。

FXで負けた時、「恐怖や怒りを感じる自分がダメなんだ」と思っていた。でも著者は違うと言う。恐怖も怒りも、相場で生き残るための自然な反応。問題は、その感情に振り回されて冷静な判断ができなくなること。

例えば、ドル円で-50pips(5,000円)の含み損を抱えた時。「損したくない」という恐怖は正常な反応。でも、その恐怖に支配されて損切りルールを破り、-150pipsまで引っ張ってしまうのが問題なんだ。

「最高のパフォーマンスは、自分の強みを活かした時に生まれる」

これまで「弱点を克服しなきゃ」と思っていた。損切りが苦手だから損切りの練習ばかり。でも著者は「まず強みを伸ばせ」と言う。

自分の場合、朝の東京時間の値動きを読むのは得意。仲値前のドル円の動きには敏感。なら、その時間帯に集中してトレードすればいい。苦手な欧米時間で無理に頑張る必要はない。(当たり前のことだけど、なぜか気づかなかった。)

「優秀なトレーダーは、市場ではなく自分自身を観察している」

チャートばかり見て、自分の心理状態を見ていなかった。

著者によれば、勝っているトレーダーは「今の自分は冷静か?集中できているか?」を常にモニタリングしている。疲れている時、イライラしている時は、どんなに良いセットアップが来てもトレードしない。

確かに、大損した日を振り返ると、寝不足だったり、仕事でストレスを抱えていたりする。市場の分析より、自分の分析が先なのか。

実践ポイント:FXトレーダーが学べる3つのこと

1. セルフモニタリング:自分の状態を客観視する技術

著者が推奨する「トレード前チェック」。FXでいえば、エントリー前に「今の自分は1-10のスケールでどの程度集中できているか?」を数値化すること。

例えば、朝6時にドル円をチェックする前に:

  • 睡眠: 7時間(8点)
  • 集中度: 仕事の心配事があって6点
  • 感情: 昨日の-30pips(3,000円)の損失を引きずって5点

総合6.3点。7点以下ならトレードしない、というルールを作る。単純だけど、これだけで感情的なトレードの7割は防げる。

2. 強みベースのトレード戦略:得意パターンの徹底活用

本書では「自分の最高のパフォーマンスが出る条件」を見つけることを重視している。FXトレーダーなら、勝率の高い時間帯、通貨ペア、相場環境を徹底的に分析すること。

私の場合:

  • 東京時間9:00-11:00のドル円
  • ゴトー日の仲値前の上昇
  • レンジ相場でのレンジブレイク

この3つの条件が揃った時の勝率は73%。なら、他の時間帯やパターンは捨てて、この「得意技」だけに集中する。月のトレード回数は減るけど、勝率は上がる。

3. パフォーマンス・ルーティン:一貫した準備プロセス

著者は「優秀なトレーダーは儀式を持っている」と言う。FXでいえば、トレード前の準備を毎回同じ手順で行うこと。

私が本書を読んで作ったルーティン:

  1. 前日のNY市場の振り返り(5分)
  2. 今日の経済指標チェック(3分)
  3. ドル円の日足・4時間足・1時間足の確認(5分)
  4. 今日のトレード計画を3行で書く(2分)
  5. 深呼吸3回

合計15分。この準備をしないでトレードすると、なぜか負けやすい。心理的な安定感が全然違う。

読む前と読んだ後で変わること

読む前: 負けた時に「メンタルが弱いから」と自分を責めて終わり。具体的な改善策が見えない。

読んだ後: 負けた時に「なぜその判断をしたのか?その時の心理状態はどうだったか?」を分析するようになった。感情を敵視するのではなく、データとして扱うように。

具体的には、トレード日記に「心理状態メモ」を追加。「-47pips。昼休み中、急いでエントリー。集中度4/10。次回は時間に余裕がない時はトレードしない。」という感じで。

トレードの技術的な分析だけでなく、自分の心理パターンが見えてきた。これが一番大きな変化。

こんなFXトレーダーにおすすめ / おすすめしない人

おすすめする人

  • FX歴1年以上で、基本的な損益は理解している人: 心理学の話が中心なので、最低限のFX知識があった方が読みやすい
  • 同じ失敗を繰り返してしまう人: 本書の「パターン分析」が特に効果的
  • スランプに陥っている中級者: 101の改善方法の中から、自分に合うものが必ず見つかる
  • 兼業トレーダー: 限られた時間で効率的にパフォーマンスを上げる方法が学べる

おすすめしない人

  • FX初心者(歴3ヶ月未満): まずは基本的なトレード技術を身につけてから
  • テクニカル分析の本を求めている人: この本にチャートパターンの解説はない
  • 「簡単に勝てる方法」を探している人: 地道な自己分析と改善が必要。魔法の杖ではない

ただし、英語の原著と比べると、翻訳版は一部の心理学用語のニュアンスが伝わりにくい部分もある。英語に抵抗がなければ原著もおすすめ。

今日からできる1つのこと

次のトレード前に、「今の自分の集中度を1-10で評価」してみてください。

7以下なら、そのトレードは見送る。最初は「せっかくのチャンスを逃すのか」と思うかもしれません。でも1週間続けてみると、無駄な負けトレードが確実に減ります。

私はこれを始めて2週間で、月間勝率が52%から61%に上がりました。(トレード回数は3割減ったけど、収益は増えた。)

FAQ

Q: FXの初心者がこの本を読んでも理解できますか?
A: 基本的なFX用語(pips、レバレッジ、証拠金など)が分かれば読めます。ただし、ある程度トレード経験がある方が実感を持って読めるでしょう。

Q: この本を読めばFXで勝てるようになりますか?
A: この本だけで勝てるようになるわけではありません。トレード技術は別途必要です。ただし、既に持っている技術を最大限活かすためのメンタル面での改善には確実に役立ちます。

Q: 101の方法すべてを実践する必要がありますか?
A: いいえ。自分の課題に合った3-5個の方法を選んで継続する方が効果的です。全部やろうとすると挫折します。

Q: スキャルピングトレーダーにも役立ちますか?
A: はい。特に「瞬時の判断力を高める」「感情的な反応をコントロールする」部分はスキャルピングに直結します。

Q: 他のトレード心理学の本との違いは何ですか?
A: 理論よりも実践に重点を置いている点です。「なぜメンタルが大事か」ではなく「どうやってメンタルを鍛えるか」の具体的方法が豊富です。


この記事は、FXトレーダーのメンタル強化に役立つ書籍レビューシリーズの一部です。他にもFXトレーダーが読むべき本で鍛えるメンタル 完全ガイドで、トレード心理学の必読書を紹介しています。