この本が刺さるFXトレーダーの悩み
朝9時にドル円をロング。+15pipsで「もう少し伸びるかも」と利確を先延ばし。気がつけば-30pips。「なんで利確しなかったんだ」と自分を責める。
昼休みにスマホでナンピン。夕方には含み損が-80pips。「明日には戻るだろう」と祈りながらポジション持ち越し。翌朝、-120pips。ロスカット執行。
…この繰り返しに疲れ果てて「自分にはFXの才能がないのかも」と思い始めているあなた。実は、技術の問題じゃない。心理の問題なんです。
書籍情報
書名: デイトレード ── マーケットで勝ち続けるための発想術
原題: Day Trading
著者: オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ
翻訳: 林 康史、藤野 隆太
出版年: 2000年(日本語版2002年)
出版社: 日経BP社
難易度レーティング: 初級(FX歴1年未満でも読める)
読書時間の目安: じっくり読んで8時間、要点だけなら3時間
この本を一言で
「勝つ技術より、負けない心理を身につけることが先決」
名言ピックアップ:心に刺さった一節
「すべての損失は、無知への授業料である」
この一文を読んだ時、先月の-15万円の意味が変わった。あれは「失敗」じゃなくて「授業料」だったんだと。
FXでいうと、ゴトー日の仲値前にドル円をロングして、仲値後に急落で損切り。その-47pips(4,700円)は、「仲値トレードにもリスクがある」という授業料。次からは仲値後の反転も想定してポジションサイズを調整するようになった。
「優秀なトレーダーは、負けることを恐れない。負け続けることを恐れる」
これ、目から鱗だった。今まで「1回の負けも嫌だ」と思っていたけど、それが間違いだったと気づく。
1万通貨でドル円を-50pips損切り。5,000円の損失。これを「失敗」と捉えるか「計画通りの撤退」と捉えるか。著者は後者の思考回路を持てと言っている。(正直、まだ完全には身についていない。でも意識は変わった。)
「感情でトレードする者は、必ず市場に授業料を支払うことになる」
昼休みにスマホでFXを見て、なんとなくエントリー。根拠なし。結果、-23pips。2,300円。これがまさに「感情トレード」への授業料だった。
実践ポイント:FXトレーダーが学べる3つのこと
1. 損切りは「コスト」であって「失敗」ではない
著者は損切りを「保険料」に例えている。FXでいえば、1万通貨のドル円で-50pipsの損切りライン設定は、5,000円の保険料を払って大損を防ぐということ。
この本を読む前は、損切り = 負け = 自分の判断ミス、と思っていた。読んだ後は、損切り = 計画通りのリスク管理 = プロの証拠、と思えるようになった。(まだ感情的には痛いけど、頭では理解できるようになった。)
2. ポジションサイズは「恐怖」で決めない
「いくらまでなら失ってもいいか」を先に決めてからエントリー。これをFXに翻訳すると、証拠金10万円なら1回のトレードで失ってもいいのは5,000円(5%)。ドル円なら50pips幅で1万通貨が上限。
以前は「このチャンスを逃したくない」という欲望でロット数を決めていた。今は「この損失なら受け入れられる」という冷静さでロット数を決めている。
3. 「なんとなく」エントリーを禁止する
著者は「エントリーの根拠を3つ言えないなら入るな」と断言している。FXでいうと、ドル円ロングの根拠が「上昇トレンド継続」「サポートラインでの反発」「RSIが売られすぎから回復」の3つ揃った時だけエントリー。
1つでも欠けたら見送り。この判断基準ができてから、無駄なエントリーが7割減った。
読む前と読んだ後で変わること
読む前: 損切りが怖くて、含み損を放置。「いつか戻る」と祈りながら塩漬けポジション量産。
読んだ後: 損切りを「計画通りの撤退」として受け入れられるように。完璧ではないけど、-50pips到達で機械的に切れる回数が増えた。
読む前: ポジションサイズを「このチャンス、大きく張りたい」という欲望で決定。
読んだ後: 「この損失額なら今夜眠れるか?」を基準にロット数を決定。証拠金に対する損失比率を事前に計算するようになった。
読む前: チャートを見ると「なんとなく上がりそう」でエントリー。根拠は後付け。
読んだ後: エントリー前に「根拠を3つ言えるか?」と自問。言えない時は見送り。ポジポジ病が大幅改善。
こんなFXトレーダーにおすすめ / おすすめしない人
おすすめする人
FX初心者(歴1年未満): 基本的な心構えから丁寧に解説。専門用語も少なく、翻訳も読みやすい。最初の一冊として最適。
損切りができない人: 著者の「損切り = 保険料」の考え方が、損切り恐怖症を和らげてくれる。心理面のアプローチが秀逸。
ポジポジ病に悩む人: 「なんとなくエントリー」を防ぐ具体的な方法が学べる。根拠の明確化が身につく。
おすすめしない人
スイングトレーダー: デイトレード前提の内容が多い。数日〜数週間のポジション保有には直接応用しにくい部分がある。
上級者(歴3年以上): 基本的な内容が中心。すでに知っている心理学の話が多いかもしれない。
テクニカル重視の人: チャート分析の手法は最小限。具体的なエントリーパターンを期待すると物足りない。
ただし、この本だけでFXが勝てるようになるわけではありません。心理面の土台を作る本として位置づけてください。
今日からできる1つのこと
次のエントリー前に、「この損切り幅なら、今夜ぐっすり眠れるか?」と1回だけ自問してみてください。
答えがNoなら、ロット数を半分にするか、エントリーを見送る。この1つの質問が、あなたのリスク管理を劇的に改善します。
FAQ
Q: FXの初心者がこの本を読んでも理解できますか?
A: はい、理解できます。専門用語は最小限で、翻訳も自然な日本語です。FXの基本用語(pips、スプレッド、レバレッジ)が分かれば十分読めます。
Q: デイトレード専門の本ですが、スイングトレードにも応用できますか?
A: 心理面の教訓は十分応用できます。ただし、具体的な手法はデイトレード前提なので、ポジション保有期間の長いトレードには調整が必要です。
Q: この本を読めばFXで勝てるようになりますか?
A: 勝てるようになる保証はありません。しかし、負けにくくなる心理的な土台は確実に身につきます。技術書ではなく、心理書として読んでください。
Q: 英語の原著と翻訳版、どちらを読むべきですか?
A: 翻訳版で十分です。林康史氏の翻訳は非常に読みやすく、原著のニュアンスもよく伝わります。英語に自信がない限り、翻訳版をおすすめします。
Q: 他のトレード本と比べて、この本の特徴は何ですか?
A: テクニカル分析より心理面に重点を置いている点です。「どう分析するか」より「どう考えるか」を教えてくれる本として、FX初心者には特に価値があります。
